ファム・ファタール

ブライアン・デ・パルマ節全開の作品だった。

長回し、2分割撮影、裸のねぇちゃん(この人の場合、胸よりも主にケツ)、強引な設定と展開、ラストのどんでん返し、それに何より「カメラで覗く」シーンが頻繁に出てくるところなど、余りにもブライアン・デ・パルマらしい作品であった。(「覗く」という行為はデ・パルマにとって「映画を撮る」行為と同義であるように僕は理解している)ここまでデ・パルマ節全開な作品は、最近では珍しいかもしれない。何か「ボディ・ダブル」とか「ミッドナイト・クロス」といった70〜80年代の全盛期を彷彿とさせた作品であった。

しかし「自分はひょっとすると違う人生を歩んでいたかもしれない」的な裏テーマって、前観た「チェンジング・レーン」とかぶっているんだよな。作品が違うと、ここまで面白さが違うものかと思ってしまった。いや、素晴らしかったです。ラスト20分は素直に騙されてしまいました。