ムシキング

ベテラン山内重保が監督をしているだけあって、ドラマの盛り上げ方や画面構成などは実に見事である。だが、肝心のお話自体がどこへ向かおうとしているのかよく分からないため、やや観客が置いてけぼりにされてしまっている。
「自然は大事にしよー」などといった単純なテーマにとどまるのではなく、さらに一段推し進め、「人間と自然の共存のあり方」という難解なテーマに真っ向から取り組もうとする姿勢は、たいへん立派で有意義のあることだと思う。だが、それが必ずしも成功しているとは言えない、というのが今のところの私見である。これから挽回を図ることができるのか否かが本作品の最終的評価にかかわってくるが、それまで子供達(&オタ達)が続けて観ることができるかどうか。