映画「ドリームキャッチャー」

期待に違わぬバカ映画ぶりで大満足であった。「スタンドバイミー」+超能力もの+エイリアン侵略もの、って書くと安っぽい幕の内弁当のようだけど、さにあらず。この作品の本当の持ち味はその下品さにある。

だってあれだよ?エイリアンの侵略のきっかけって、吹雪で迷子になったジジイが木の実と間違えて動物のクソを喰ってしまったことなんだから。そのクソの中に入っていた「ギョウ虫」のようなエイリアンが、腹の中でデッカくなって肛門をぶち破るのだから。こんなにバカバカしい設定の侵略の仕方って、これまでなかったよな。またエイリアンの姿が、マンガの「寄生獣」みたいなんだよな。

冒頭で苛めっこが小児マヒの子に犬のクソを喰わせようとするシーンがあったり、血まみれ&クソまみれの便所で、尻丸出しのジジイの死体を横に、エイリアンと攻防合戦を繰り広げるなど、何つうかやたらとクソに拘った作品である。世界滅亡の原因となる(と予知されている)のが、エイリアンの幼虫(っていうか見た目はギョウ虫そのもの)っていうのも、実に下品で下らなく、素晴らしい。そして何より素晴らしいのが、この下品極まりない作品を作ったのが名匠ローレンス・カスダンというところだ。いや、つうか映画オタ的には別に名匠でも何でもないんだけど、アカデミー賞的には一応名匠じゃない? これまでは結構気取った映画を撮ってきた人だから、この転回ぶりは何事かと目を疑ってしまう。まぁ面白いからいいのだけど。

まぁ絶対に観るべき映画!ってほどではないけれど、観といても損はしない映画だと思うな。少なくとも話のネタにはなるしね。