「くそまん −サイテーの漫画短編集−」

川崎のブックオフで購入。近くのビルのトイレ(大)にて読了。

漫☆画太郎は不思議だ。その面白さをここまで説明しにくい人も珍しい。絵も汚らしいし、ギャグのネタも一つ一つをとってみれば決してレベルが高いとはいいがたい。というか、ウンコチンチンorジジィババァorダジャレ、という所謂、小学生ギャグというものだ。どこからどう見ても面白いと感じられる要素を持っていない。

しかし、実はこの人ほど面白い漫画を描ける人がいるのだろうか、と言いたくなってしまうくらいに、実際は面白い。

この本は初期だけあって「ネタフリ→ボケ」という非常にシンプルな構成である。繰り返し繰り返し繰り返しこれでもか!というように同様のスタイルのボケが連続する。正直、ネタ自体はつまらないと言ってもいいほどの低いレベルなのだが、あの濃ゆい画力によって思わず引きずり込まれてしまう。「家・なき子」なんて単なるダジャレの連発だもんなぁ。

これが「ハデーヘンドリックス物語」の頃になると、作品にボケの展開やストーリー性が入ってきて、実に奥深く面白いものになってくる。この頃にはまだそこまでの技術はないが、次のページの見開き1ページを用いて大ネタをかます、という漫☆画太郎独自のスタイルはすでに確立している。