デューク堂書店で「GANTZ」を発見!わーい。と思ったら5巻までだった。ええ5巻まで読みましたとも。うーん、やっぱり面白い。

しかし奥浩哉は基本的には何も変わってないんだよなー。「暴力的なヤンキー」と「シニカルで弱者なオタク」という二項対立は、彼がデビュー当時から一貫してきたテーマ。「変」におけるオカマ話orレズ話も、実はこの二項対立が潜んでいる。「強者(ヤンキー)」であるはずの者が「弱者(まぁこの場合はオタクではないが)」に惚れてしまい、立場が逆転してしまうところに面白さがあったと思う。で、この「GANTZ」も実はこの二項対立が裏のテーマだよな。玄野にしてもオタクの中に身を潜めて目立たないように生きているが、強者に対して真っ向から刃向かっていけるだけの根性を持った男として描かれている。一方、加藤は強者に対して徹底的に刃向かう男気を持っているが、心情的にはオタク的な弱者と気が合う男とされている。この「どっちつかず」の位置にいる二人だからこそ、本作品の裏テーマ(と俺が勝手に思っている)である「弱者から強者へのブレイクスルー」への期待に読者(というか俺)を盛り上げることができるんだよな。

あー、しかし長い間「いじめられっ子」の苦渋を舐め続け、その後遺症が現在の卑屈な性格に現れまくっている俺みたいな人間には、琴線触れまくりで溜まらないなー、この人の作品は。また大ボスとの対決という絶妙のタイミングで5巻が終わったものだから、早く続きが読みたくて溜まらなかったりする。