新選組! 第24回「避けては通れぬ道」

予想通り、非常に面白かった。近藤勇だけがまだシリアスに入りきれていないが、それも(NHKオフィシャルHPを見た限りでは)来週には解消されそうだ。

しかし、毎回毎回、律儀に各キャラクターそれぞれにスポットライトを当てている三谷幸喜の才覚は、驚くものがある。多人数になると、どうしても特定のキャラクターが目立ちすぎたり、全く目立たなくなったりするのだが、「新選組!」には全くそれがない。普段は目立たない位置にいる井上源三郎小林隆も、地味ながらも確実にスポットが当たっている。今回の話で最も重要なセリフを言ったのは、他ならぬ井上源三郎なのだから。
「人の上に立ってはならない者が人の上に立つのは不幸です。しかし、もっと不幸なことは、人の上に立つべき者がその位置にいないということです」
後ろ一歩引きながらも、きちんと近藤勇の側についていて、必要とあらば控えめながらも必要な言葉を言う度量も持ち合わせている。地味ながらも、粋でカッコイイではないか。土方や山南が目立つのは当然だが、井上源三郎藤堂平助にもそれ相応の見せ場をきちんと与えている。そこが、私が三谷幸喜の好きなところであり、信頼できるところである。

あー、後、新見錦相島一之の散り際も格好良かったなぁ。演じ方を間違えたら、単なる泣き言か、捨てぜりふにしか聞こえないようなセリフでも、相島一之はきちんと脚本を理解して、言葉に深みを持たせている。「HR」での和久井のイヤミな部下役で初めて知ったのだけれど、実は東京サンシャインボーイズ出身で、三谷幸喜関連の作品にはちょくちょく顔を出していたのだという。うーん、これを機に、白井晃小野武彦梶原善並みに認知度が高まって欲しいものだなぁ。