プラネテス 第1話「大気の外で」

デブリ課」って「ショムニ」みたいなものだよね。

SF設定的な部分や美麗な作画が話題となっているが、私的には「ブルーカラーを主人公にし、ブルーカラーの日常を描いている点」にある。デブリ作業員って、要は「ゴミ処理員」である。そして、こういったブルーカラーの仕事について、映画やアニメなどにおいてほとんど言及されることはなかったと思う。

だけどデブリの仕事も、当たり前の話「誰かがやらなければならない」立派な、プライドを持って然るべき仕事なのである。近未来を舞台にしながら、パイロットや艦長ではなく、地味で目立たない仕事を一生懸命にこなしている人たちにスポットを当てた点が面白いし、また、こういった人たちにスポットを当てられるということがSF文化が日本においてきちんと成熟していることの証ではないだろうか。

BSマンガ夜話」の「機動警察パトレイバー」の回で、岡田斗司夫が「『究極超人あ〜る』は大人になることを拒否したマンガであったが、『機動警察パトレイバー』は大人になること、労働することをきちんと受け止め、その中で成長していく物語」といった内容のことを話していたことがある。バブル期は享楽的な生活を満喫することが許されていたが、90年代〜2000年代に入って不景気になってくると、オタク達も現実の厳しさを直視していかざるを得なくなってきた。その時代の流れを体現したのが「パトレイバー」なのだ、とか、まぁそういう内容であったと私は理解している。

プラネテス」も、完全にその流れにある作品であると思う。そして、「ただデブリ課の日常を描いているだけ」のような本作品がオタク的に広く、高く評価されているという事実は、非常に喜ばしいことであると思うのだ。

と言っても、まだ第1話だ。次回以降どんな展開をしていくのか、まずはじっくり見守っていきたいと思う。