エアマスター 第11話「たたみこめ!摩季対金次郎」

「摩季対金次郎」というタイトルになっていながら、坂本ジュリエッタは出るわ、摩季の親爺は出てくるわ、金二郎の自称恋人(男・郷里大輔声)が出てくるわ、崎山香織は出てくるわ、物語必然もクソもなく各キャラクターが一堂に集まってきて、それぞれが戦いの最中にもかかわらずペチャクチャペチャクチャ喋り倒していく―そのムチャクチャな物語展開だけでもビックリなのに、もっとビックリなのは、それぞれのキャラクターの魅力が活き活きと発揮され、にも関わらず摩季対金次郎の対決が邪魔されることはないという事だ。二十数分のアニメであるにも関わらず、ネタや見所がパンパンに詰まっていて、三本分を観たくらいの満足感がある。

薄っぺらいアニメ作品が乱造されている現在、この濃ゆさは貴重だし、興味深い。何より、ただの「二人の一騎打ち」という単純なストーリーで、ここまでの濃ゆさを実現しているのが面白い。本当に不思議なアニメだ。

少し抑え気味であった作画が、今週は戻って来ている。と言ってもよく見ると、バシバシと動き回すのではなく、極端なパースがつけられたけれん味たっぷりの止め絵を多用しているのが分かる。