MADLAX 第22話 「撃情 -rage-」

「内戦は、純粋なる熱情によって起きるのだ!」byフライデー
だったっけ?

こんなアニメに怒っても仕方ないけれど、本当に内戦をしている人たちに向かって同じセリフを吐くことができるのかと、観ていて本気でムカついてしまいました。まぁ、「内戦」というリアルな設定を持ち出さなかったらここまで神経質にはならなかったと思うのだけれど。何で近未来とか、全くの別世界の出来事とかの設定にして、クッションを作らないかなー。それだと、同じ事を言ったとしても大分印象が変わってきたはずなのに。

個人的に、「内戦」及び「戦争」の起こる理由について、最も的確に説明しているセリフは漫画「EDEN」でアミラ・アブドゥラという人が述べている以下のセリフである。少々長くなるが、引用しておきたい。

「歴史上、宗教戦争などは存在しないわ。全ての争いの背景にあるのは構造的差別と経済格差よ。世界人口の半数以上の人々がいまだにその日の食物を得るためだけに戦っている。彼らにとって「神」と「信仰」は現実を生き抜くための「文化」であり「支え」なのよ」

フライデーはどうも新世紀エヴァンゲリオンにおける「人類補完計画」に相当する事を画策しているようだ。まぁ、観念的なアニメ「MADLAX」らしい陰謀だよなぁ。

カロッスアに引き続き、今回ではヴァネッサもリメルダも、それにマドラックスも(?)死んでしまった。あー、「スクライド」でも思ったけれど、黒田洋介脚本作品って安易に人を殺しておきながら、思いっきりセンチメンタルな演出を施すんだよなぁ。ヴァネッサが三途の川を渡るのをマドラックスが見守るシーンが、今回ではそれにあたるのだろうけれどさ、何か中途半端なんだよなぁ。人の死を、まるでゴミが捨てられたようにあっさりあっけなく描いてしまうか、キャラクター一人が死ぬという事実を重く受け止めた描写にするか、どちらかだと思うのだ。(特に死ぬ理由もないのに、ただ単に話を盛り上げるだけの理由で)安易にキャラクターを殺しておいて、それを「美しい描写と、ちょっと泣きが入った演出」で誤魔化そうとするなんて、マジで卑怯千万だと思う。これにも、怒っても仕方ないと知りつつも、ちょっとムカっときてしまいました。

ひらひら踊りながら敵を仕留めていく本作品特有のガンアクションと、マドラックスの下乳が拝めたのが、今回の大収穫であった。アニメの快楽って、意外とこーゆーしょーもないところにあるんだよな。スタッフ(おそらくだけど、主に黒田洋介)は、観念的なテーマや、キャラクターの死ぬ場面ばかりが、最も重要だと考えているかもしれないけれどさ。