BSマンガ夜話 「鋼の錬金術師」荒川弘[manga]

oippu2005-03-03


今日のBSマンガ夜話は面白かったですね。いしかわ氏・夏目氏のBLOGで明かされているように、今後のBSマンガ夜話不定期放送になるそう。夏目氏はもうコレで終わり、のような書き方までしているし。

CS放送やらデジタル放送の到来で、今やチャンネルが余るほどできまくっている時代なのだから、岡田斗司夫あたりがちょっと頑張って動くだけで、放送してくれる局なんていくらでも見つかると思うのだけどなー。そもそも、ニッチ層を対象とした番組なのだから、CS局の方が向いているかもしれないし。

でも、ちょっとここ最近のBSマンガ夜話は余りに「懐メロ」し過ぎていたよな。「事件屋稼業」は勿論だけれど、「お天気お姉さん」あたりのセレクションも、少し偏りすぎだと思う。もっと今の若い人たちが読んでいるマンガをガンガン取りあげていくべきではないだろうか。ほら、昔は頑張って「SLAM DUNK」やら「幽々白書」やら「稲中」を取りあげていたじゃない?

こういったBLOGでもマンガについて語っている文章はいっくらでもあるのだけれど、マンガ史全体を俯瞰として、作品を位置づけようとする視点を持った文章には、ほとんどお目にかかったことがない。「好き/嫌い」「支持する/支持しない」の二元論で語るか、自分の持っている狭い狭いフィールドの中で無理矢理に作品を位置づけて悦に入っているかの、どちらかしかないような気がする。

まぁ、「ハガレン」は絶大な人気を誇る作品ですー!!だけで済ませてしまって、何が問題かと言えば、別に何も問題ではないという意見もあるかもしれない。だけど、「好き/嫌い」という二元論や、「世代」を越えて、「ハガレン」とは、マンガ史の中でこうこうこうした位置づけの作品である、という論を(オタク層だけではなく、一般人を含めた全ての人々に向けて)言おうとする人がもっと増えてもいいのではないかという気がするのだ。



たとえば、あずまきよひこよつばと!」、久米田康二「かってに改造」、CLAMPちょびっツ」などの、ただ単に読んで面白いというだけでなく、マンガ史的に非常に重要な意味を持つ作品群について、まっとうな評論というのは余り読んだことのないような気がする。(評論があったとしても、読む価値があると思えるものは少なくとも私にはなかった)いや、それどころか尾田栄一郎ONE PIECE」でさえ、これまできちんとした評論の俎上に載ったことはなかったのではないか。いや、さすがにそれはあるか。まぁ、あったとして、その評論が的はずれだったり面白くなかったりしたら、一緒のことなのだけれど。

今回の「ハガレン」みたいに「今が旬!!」という作品に対して、マンセーだけではない、もっとクールな評論が行われるべきではなかろうか。「BSマンガ夜話」は、それができる番組なのだから、レギュラーの方々には老体に鞭を打っていただき(←失礼)もう少し頑張ってもらいたいものだ。だって、「ハガレン」を取りあげたらあれだけの反響があるんだぜ? 別に「懐メロ」が悪いって訳じゃあないけれど、それが強すぎであまりに新しい作品が取りあげられ無さすぎたからなぁ。選ぶ作品をもう少し同時代的なものにすれば、今回の「ハガレン」のように絶対に反響はあるはずなのだから。それに、「BSアニメ夜話」は毎回毎回反響が大きいのは、同時代的作品を取りあげているし、そうでなかったとしても、取りあげる作品が若い人たちの関心が強いっていうことなのだからね。

あー、私も書こうと思っていてまだ書いていないマンガ評たくさんあるや。人のこと言うより先に、明日から自分でも頑張って少しずつ書いていこう。