「新撰組!」 第19回 「通夜の日に」

今回も面白かった。

各人の芝居がリアル寄りになってきたように感じた。これまでは、どちらかと言えば「漫画的な芝居・表情が多かったように思う。三谷幸喜ドラマではこういった芝居・表情は珍しくない。だが、ストーリー展開が明快になる反面、少々陳腐に見えてしまうところが正直あった。(前回、茶屋で歳三が勇にお幸のことについて絡むシーンで、歳三が「唇の片側を極端に上げてみせる」表情を浮かべたところなど、「過剰な表情作り」の典型であろう)

今回は上記のような過剰な表情作りは、山本太郎原田左之助を除いて、余り目立たなかったように思う。(左之助は「新撰組!」においては、むしろマンガ的であって欲しいから、これは別に問題ない)

芹沢鴨×土方歳三(土方が芹沢に借金を問いつめる場面)や、芹沢鴨×沖田総司(勿論、芹沢が沖田を挑発する場面)などで、非常に緊迫した、火花を散らす演技合戦が堪能できた。

こう考えていくと、芹沢鴨佐藤浩市の役割がいかに大きいか分かる。芹沢暗殺後は、誰が佐藤浩市の役割を果たしてくれるのだろうか? それとも、ナチュラルな芝居への移行がそれまでに完了するのだろうか? 現時点ではまだ何とも言えないが、何かええ感じにシリアスに向かっているようだ。