GUNSLINGER GIRL 第6話 「報酬 - gelato - 」

前回に引き続き、絵コンテは片淵須直。実直だが、しっかりとしたコンテが素晴らしい。特に冒頭の電車のシーン、犯人が尾行の刑事をまくシーンが秀逸。

複雑な話を二十数分という枠でかっちりと収めて娯楽作品に仕上げた手腕も見事だが、僕としては小道具の使い方に注目したい。

物語中盤でジョゼがプパの香水をヘンリエッタにプレゼントしていることが分かる。可愛らしい容器に入っているが、そこそこの値段が張る品である。このことから、ジョゼがヘンリエッタをきちんと「レディー」として扱っていることが分かる。

対してヘンリエッタはジョゼに対して何を求めているのか。ちょうど同じ場面で、ヘンリエッタが2人乗りしているバイクを後ろからぼんやりと眺める場面がある。その後で、ベッドに入ったヘンリエッタは嬉しそうに褒美は何にするか決めてあると言う。

結局、それは「ジョゼに買ってもらったジェラートをスペイン広場で食べる」というものだった。一見、子供らしい選択のように見えるが、これが「恋人同士の関係性」の象徴であることは明らかだ。

実に心憎い描写ではないか。ラストの爆撃未遂犯(姉さんの方)の、「あの子のような笑顔を守ることが、私たち共和国側の願いなのだから」まで含めて、完璧な回であった。