銀河鉄道物語 第2話「時の結び目」

第1話に続いての松本零士節が心地よい。

広角レンズで撮られたような、ややパースが強調された画面が特徴的。この特徴によって、物語にダイナミックな迫力を与えている。列車が奥から画面手前へと向かってくる場面や戦闘シーン(護が敵に手榴弾を投げつけるシーンなど)は勿論であるが、この作品に特徴的な「相手に渡す」場面にこそ、「広角レンズ効果」の真価が発揮されている。カンナが学に弁当を渡すシーン、護が学に父親の形見である拳銃を渡すシーンなどで、地味ながらも大きな効果を与えていたように思う。ラスト近くで、ビッグ・ワンに乗り込んだ学に護がボールを投げて渡すシーンは、横からのカットであったが、ここでもやはり「相手に渡す」場面が物語に大きな役割を果たしていた。こういった何気ない場面の積み重ねにも、この作品の持つ説得力が現れている。

後、声優陣が良かった。前回の有紀渉@井上和彦も良かったが、変声前→変声後の有紀学@矢薙直樹、有紀護@緑川光の演技の切り替えも見事であった。また、ルイ・フォート・ドレイク@真田アサミは、意外ではあるが上手い器用であった。松本零士のキャラクターでよく器用される母親系の声(今回も出演している麻上洋子、藩恵子、井上喜久子久川綾など)ではなく、所謂「少女声」なのが逆に新鮮。学とルイが最初に出会った時の少し喧嘩気味の会話など、古典ではあるけれど、ちょっと萌えた。母親(及び年上の包容力のある女性)属性を持たない私のような若い衆には、ルイ@真田アサミの声は非常にありがたい。このへんが、少し現代的と言えば現代的なのかも。