MADLAX 第20話 「真争 -wish-」

内戦が繰り返されるという重たい舞台背景で、「アンファン」だか「ファースタリ」だか何やら難しそうな用語で煙に巻きながら、実際にやっている事は「戦争イクナイ!!」「自分探シノ旅」という非常に幼稚なテーマ性を謳った、ベタベタでセンチメンタルな昼メロというちぐはぐ具合が実におかしい。何だこれ。まるで、高校生が初めて書いたような脚本みたいだ。せいいっぱい背伸びして難しそうな事を書いて、恥ずかしげもなく青い主張をして、勢いあまってラジオドラマのコンテストに投稿してみました、みたいな、そのくらいのレベルの低い脚本である。勿論、高校生なら「可愛いのぅ」で済まされるのだけれど、実際に脚本を書いたのは、すでに「大ベテラン」の位置にあり、事務所を構える社長でもある黒田洋介なのである。
うーん、元から私は余り氏のことは評価していなかったけれど、コレは余りにヒドすぎないか?

そもそも、エレノアさんが敵に捕まえられる可能性なんて一切考慮せず、相変わらずのメイド服姿でジャングルの中を歩き回っている場面を平気で作れる時点で、本作品が世界観をきちんと設定するという事すらロクに出来ない、シロウトレベルの作品であることが伺えるであろう。それまでクールな殺し屋を気取っていたマドラックスがいきなり感傷的になって、「自分を知りたい」とか言い出すのも、よく分からないし。

で、2〜3話ほど観損ねてしまっていたので詳しい話は分からないけれど、どうやらまた「現実の世界だと思っていたけど、全部、虚構でした」という、バカの一つ覚え的な設定を持ち出してきましたか。

何だか難しそうな事をいろいろと言っていたけれど、要は「本を3冊集めれば何かいいことあるよー」という、ドラゴンボールレベルの設定なのかよ。いや、当然ドラゴンボールの方がよっぽどしっかりとした設定ができているけどね。少なくとも、ドラゴンボールは勿体ぶった演出で、単純な物語を複雑そうに語るような卑怯な真似は決してしなかったしね。

前半は余りの安っぽさに辟易、後半は観念的で退屈なお話に辟易した本シリーズであったけれど、ここまで観たのなら、最後まで観続けるしかないかなぁ。