プラネテス 第5話「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

デブリ課の面々、B級映画撮影スタッフ、借金苦により自殺を考えている夫婦と小さな子供、これら複数の様々な人間模様が、限定的な日数(4日間)と空間(月へ向かう宇宙船)の中で並行して描かれていく様は、「ER」などの海外の優秀なテレビドラマ作品を彷彿とさせる。演出も、作画もレベルが高いのだが、今回の話ではやはり大河内一桜の脚本が光っていた。アニメ「あずまんが大王」でも、原作のあちこちからネタを拾い、シャッフルし、見事に一本の話にまとめあげていた大河内であるが、本作品でも構成力の高さを見せつけてくれた。原作は未読なのだけれど、きっと見事な換骨奪胎ぶりなのだろうなと予想される。
だが、大河内氏の魅力はこういった職人的な上手さだけではなく、どこか観る人をウキウキとさせるような、カラッとした陽性のタッチを持っている事だ。「キングゲイナー」でも、「あずまんが大王」でも、氏の関わった作品は物語の構成自体は緻密なものの、人物の描写は大らかで、昨今の作品によく見られるように、キャラクターの内面に深く入っていくということは余りしない印象がある。キャラクターを「突き放して」描くことで、逆にキャラクターたちが自由に生き生きと動き回ることができるのかもしれない。そして、我々観客は、ウジウジ悩んでいる主人公より、考えるよりまず行動をしてしまうハチマキやタナベのようなキャラクターにこそ、深く共感できるのである。

シア@かないみかのぷっくりとした頬の膨らみ具合が実にリアルな幼女っぷりで、ちょっと萌え。後、B級映画撮影スタッフの女優役、鈴木砂羽だったYO!! こんなところでも仕事してるんだなー。確か、この頃って鈴木砂羽は土曜の朝のアニメ劇場の司会者をしていた頃だから、その関係で出演しているのかな。