らいむいろ戦奇譚 第10話「閉ざされた心」

各キャラクターの心情を丁寧に追おうとしているし、物語の起承転結もはっきりとさせようという意図も感じられる。だが、いかんせん詰めが甘いために、作品全体としては中途半端な印象に終わってしまっている。と思ったら、監督が鈴木行、脚本が吉岡たかの「DearS」コンビであったか。「DearS」も、全く同様の問題点を抱えてはいるよな。まぁ、「らいむいろ」と比較すれば、「DearS」は格段に面白くはなっているが。

小道具の鳥籠は少し無理がありすぎないか? 綸子の父親の形見であるという事と、綸子が「捕らわれた鳥」であったという象徴的表現であるという事は勿論分かるのだけれど、それでもやっぱりヘンだと思う。もっと具体的に言えば、父親の形見が「鳥籠」であるという必然性が全くない。(「象徴的表現」であるというだけでは、必然性を持つことにはならない)このへんが、脚本の甘いところなんだよなー。せっかく「鳥籠」という小道具を用意したのだから、もう1エピソード盛り込むことができなかったのだろうか。

後、ヒッキーの綸子と親友になることができるのは、一方通行なコミュニケーションしかできない更紗以外はいないですよね。