この醜くも美しい世界 第1話「暁は光と闇のわかれめ」

髪を逆立てた熱血系主人公といい、お節介で気の強い幼馴染みの女の子といい、突如訳の分からない怪物が主人公達に襲いかかる展開といい、物語随所に散りばめられたエロといい、実に永井豪チック。主人公が変身する「怪物」に至っては、「デビルマン」のデザインそのものだし。まぁ、GAINAXなりの「デビルマン」を作りたい、っていうことなのだろうなぁ。そう考えると、ちょっと冷めてしまうのだけれど、それでも作品全体のレベルは他の作品より確実に頭一つ抜けているし、もう少し期待してもいいのかもしれない。

光の中から突然産まれた少女を、命を懸けてまで守ってあげる理由が「好みのタイプだったから」というのは、凄く説得力があるよねぇ。自分の頭の中で描いていた理想の女性が実際に目の前に現れて、それがあろうことか丸裸で抱きついてきたら、もう死んでもいい、って男なら思ってしまうものである。それが極端に(後、ちょっと熱血風に)解釈していけば、「命を懸けてでも彼女を守る!」ということになるのだろうな。この感情は、(実際に命を懸けて何かと戦う事自体は稀だけれども)、絵空事ではない、リアルな感情だよね。こういったシンプルな行動原理でキャラクターが動くのならば、結構面白くなっていきそうである。
主人公の行動原理が「好きな女のため」というアニメーションの傑作は非常に多い。(例:「未来少年コナン」)GAINAXで言えば、「王立宇宙軍」もシロツグが宇宙に行くきっかけとなったのは、「リイクニにいいところを見せたいから」だったよね。