新選組! 第37回「薩長同盟締結!」

すっかり立派な組織となった新選組と、すっかり立派なリーダーになった近藤勇香取慎吾に、37回放送を続けてきた重みを感じてしまいました。自分が斬った長州藩の妻に入れ込んでしまう松原忠司を責め立てるのは、管理者の立場にある土方歳三としては当然の判断であったように思う。逆に、いつまでも「仲間気分」が抜けきらない沖田・原田・永倉が、自覚が足らないように見える。ここにきて、やっと三谷幸喜が伝えようとした事が、安定した脚本として結実したように思う。ちょっと遅かった気もするけれど、まぁこれからは(特に土方の言動に対してイライラすることもなく)安心して観ていられるでしょう。だといいな。

山南敬助同様、謎が多い松原忠司の死であるが、今回も見事に処理していたように思う。人を殺すたびに、その家族の心配をしていたら身が持たないなんて分かり切ったことのように思えるけどさ。でもそこは人間だもの(相田みつを)、松原忠司のように情にほだされてしまう隊士もいたかもしれないよねぇ。ま、夫を斬られた妻にしてみれば、斬った相手に不憫がられるという以上の屈辱はないでしょうけどね。

で、次回は河合耆三郎メインの話。河合耆三郎の話でまるまる1話を用いるところ、三谷幸喜がいかに彼のことを気に入っているか分かる。また役者が大倉孝二だから、これまで出番がほんのチョイしかなかったとしても、観客はちゃあんと憶えるんだよな。あのヘナチョコな顔と声は、忘られようがないもの。(←褒め言葉)

今回はカッコヨク自ら悪役を買って出た土方歳三であったが、次回はどういった行動をとるのか。管理者の立場として苦渋の決断をするのか、また例のように勝手な思い込みで暴走をするのか、見所ですな。ここ1〜2話では、地に足の着いたしっかりした話を進めてきているので、前者であって欲しいと切に願うのだが、実際にはどうなることやら。次週も、眼が離せない。