双恋 第13話「春遠からじ…」

修羅場の後は、大団円で終了。望ちゃんと4姉妹との恋愛話という1対1の関係性についての話に発展した後に、クラスメートとの友情物語という共同体的関係性に戻るのは、当然の帰結と言えるであろう。

思いっきり深夜アニメなので大きなお兄さん向けと思われるかもしれないけれど、この作品のコア・ターゲットは中高生男子なんだよな。(少なくとも制作者側はそう思っているはず)それも文化系で、恋愛に憧れと恐怖心をまだ抱いている頃の。そういった観点で見れば、望チャンの煮え切らない態度も、それを許してしまえる双子たちの度量の深さも、余りにヌル過ぎるラストも、非常に微笑ましく見ることができる。まぁ、「中高生の恋愛」に対する大人の理想も込められているとは思うけれど。関係ないけど、昔に塾講師のアルバイトをしていた頃、教え子同士が肉体関係にあることを本人から聞かされ、さらにもっと生々しい話を聞かされ、なんか恥ずかしくっていたたまれなくなったことがあります。まー、今ドキの中高生は進んでる子はスゴく進んでますよねー。(進んでない子は、大学生になっても、大人になっても、あまり進まないままなのだけどね)

あと、前回で書き忘れたのだけれど、キャラの微妙な心理表現を、まゆ毛の歪みによって表現した描写力・作画力には感心いたしました。眼がくりくり大きく、鼻と口が小さいという典型的なアニメキャラって、可愛らしいのだけれど、表情を表現するのは難しいんだよな。「双恋」のキャラデザはまさにその典型を踏んだキャラ造形なのだけれど、まゆ毛にアクセントを置くことで、複雑な心理表現を可能にしている。