雑記[hi-bi]

oippu2005-02-13


ファイル共有ソフト「カザー・メディア・デスクトップ」で有名なKaZaA社が、また新たなサービスを立ち上げる。KaZaa社は音楽業界に続いて、今度は電話業界を引っ掻き回すつもりらしい。

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20060967,00.htm

Skypeのユーザー同士なら無料? 広告費もなし? それより何より驚くべきは、個人ではなく会社が提供しているソフトであるということ。同社のホームページはKaZaAが違法ではないことを前面に打ち出している。

http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20031222103.html
http://www.kazaa.com/us/help/new_100percentlegal.htm

実は私自身もKaZaASkypeのことを知ったのはつい最近のこと。なんかスゴい世の中になってきているなー。これが合法/違法であるかということについては様々な議論があるだろうけれど、問題はそういった議論や法整備なんかよりずっと早いスピードでシステムが一般層へと浸透しているところにあると思う。P2P技術を利用したソフトの登場は時代の必然でもあるのだろうから、業界や政府はただ単に規制するばかりでなく、いかにして上手く既存のシステムに取り入れ、またはある部分は変更していくかということを真剣に議論しなければならないだろう。

Skypeに関しては、たとえ電話業界が反対しようと思っても、規制のしようがないのではないだろうか。KaZaAでさえ「合法/非合法」の問題が未だはっきりしていない(むしろKaZaA側が優勢)のだからね。著作権などのややこしい問題が発生しない分、業界がそれを差し止める正当な理由もない訳だし、それに理由を適当にでっちあげるのに成功したところで、一般への浸透を食い止めることは不可能に近いのだから。

P2P技術によって私たちのライフスタイルや意識のあり方は大きく変化せざるを得ないところまで来ていると思う。すでに、個人レベルではその変革はどんどんと進みつつある。問題は、各企業や政府が全然対応しきれていないというところだよな。もしかしたら「そんなの認めたくない!」と思っているのが大半なのかもしれないけれど、既に賽は投げられてしまっているのだ。

こういったP2P技術を利用した画期的なソフトが登場すると、私たちはついつい「電話業界への影響は?」「著作権はどうなるんだ?」とかいうところに注目してしまう。だけど、たとえばSkype登場が、現在は微減傾向にあるPDAの売上に貢献する可能性も考えられるのである。既存のシステムが大きく変わるのだから、当然これまでの方式ではお金が集められないという問題も出てくる。だけど、新しいシステムが登場することにより、逆に商売のチャンスもあるはずなのだ。このあたりを踏まえて、政府・業界は体制整備を進めていかなければならないだろうし、また私たちユーザーも単に「無料でオトク」だとか、「違法っぽいから怖い」ではなく、根元的な議論を進めていくべきなのではないかと思う。

まー案外「音声版メッセンジャー」って感じで、音声電話とフツーに棲み分けできちゃったりすることも考えられるけどねー。