機動戦士ガンダム SEED DESTINY PHASE-17「戦士の条件」[anime]

今回は久しぶりに戦闘メインではなくドラマメインの話。最近はドラマ部分ではかなりヤヴァイ感じであったのだが、今回の話で大分取り戻した感じがあった。各キャラクターに合わせた「視点の高さ」を設定しているのが、きちんと活きていた。(たとえば戦争をまるでチェスの試合のように大局的に見据えて、その時々でベストと思える役割を駒である戦闘員に振っていくデュランダル議長が「大人の」キャラクターとして提示される。そのデュランダルの操る駒の1人であるアスラン・ザラは、力では何も解決しないことを重々承知しつつ、また戦闘の場に身を置くことを心の底で嫌悪しながらも、全体のために戦地に赴くことを選択する「青年の」キャラクターとして提示されている。そしてアスランの下に、ただ両親と妹への復讐心に燃えて無茶な戦いをするシンアスカが「子供の」キャラに位置していることとなる)

複雑な戦争背景をきちんと整理した形で見せてくれたのも良かった。(冒頭においてこれまでの物語の流れをおさらいしてくれたり、会議室で戦地スエズの地理的環境をホロスコープで視覚的に見せてくれたりと、視聴者に優しい親切設計がありがたかった。次回での話に繋がってくるであろう抵抗勢力についても、きちんと説明がなされていた)

まぁ相変わらずアークエンジェル連中はよく分からんかったですけど。ニュースを見てコーヒーしばきながら、「ねぇねぇ、正義の味方であるボクちゃん達ってば、誰の味方したらいいと思う〜?」って、オマエラ何様だ? まぁ、物語的には、ザフトでも地球連邦でもない全く別の視点を導入することで、ザフト(善)対地球連邦軍(悪)という誤った構図で観客が理解してしまうことを防ぐ目的があったのだろうけど。まぁ、デス種はオタ層だけではなく、あらゆる層に向けた番組なので、「戦争は誰が良い/悪いって訳じゃなくって、まぁ戦争自体が悪いのよ」みたいな複雑なテーマを理解してもらおうと思えば、アークエンジェルのような第三者を登場させるしかないんだろうけどね。だからって、オマエラがヒーローっぽく振る舞う必要はないだろう、とも思うのだけれど、まぁアークエンジェルに対してはもう少し静観するか。

夕焼けをバックにしたアスラン×シンとの「男と男の語らい」ありーの、胸たゆんたゆんさせながら、まるで飯島真理ばりのブリブリ声で謳いまくる「ミーアちゃんオンステージ」ありーの、ルナマリアたんのシャワーシーンありーの(やっぱり胸デカい。デカ過ぎる)、もうお腹いっぱいの25分でした。シリーズの中でもかなり充実した回だったのでは? アークエンジェルの連中は積極的に見ないようにすれば、やっぱり普通に面白い作品なのかもしれない。次回以降の更なる盛り返しに期待。