機動戦士ガンダムSEED DESTINY[anime]

アスラン:「じゃあそうしてもらおうか。俺たちは後方で待っていればいいんだな? 突破できたら知らせてもらおうか?」
シン:「えっ………あ、いや………そ、それは………」
アスラン:「と、いうバカな話は措いといて………」



シン:「自分の方が上手くやれるって、あんただってホントはそう思ってるんだろ?」
アスラン:「シン!甘ったれたことを言うな!(中略)お前ならできると思った。だから、この作戦をとった!」




なんかこのやり取りって熱血先生と不良生徒みたいだな。(アスラン金八先生、シンアスカはやっぱ加藤優あたり?)

http://www.geocities.co.jp/SweetHome/4677/KP/KM.htm

まぁシンや副長の言うとおり、危険で難しい作戦であるならばアスランが出ていった方がいいという判断も確かにアリなんだよね。結局、アスランでなくシンが行かなければならない理由ってのははっきりと示されていないし。ま、司令塔の役割を果たすアスランは他2名のそばにいた方がいいだろうし、有能だけれど暴走しがちなシンアスカは単独行動の方が向いているだろうから、コレはコレで見事な采配なんだろうな。確かにリアルな戦争ものとして考えるならヌルすぎる側面があるものの、この2人の師弟関係の描き方は地に足が着いているし、少年漫画らしい爽やかさにも溢れていて、なかなか悪くない。両者ともに上下関係を余り意識していないように話をしているが、その実、両者の間にはくっきりとした一線が引かれている。だからこそ、アスランはシンの実力を認め、シンはアスランに反抗しつつも、密かに尊敬の念を抱いている、という構図がきちんと決まるのだ。(同時にそれは、両者の立場・視点の違いをも現すこととなるのだが)軍人でありながら、私情で右往左往して艦員を命の危険に晒したキラたんやマリューたんは、少し見習うべきだろう。(もっとも、「デス種」においても、彼らの性行は悪化する一方のようであるが)

母艦であるミネルバが思いっきり前面に出て、陽動役を引き受けていたのはちょっとビックラこきましたけれどね。タリアさん、大胆過ぎるってば。ミネルバがヤラれたら、モビルアーマーは帰るところがなくなるし、それより何より指揮系統がなくなるよ? まぁ、ここらへんの戦闘場面の大味さ加減というのは、「デス種」の味なので、別にそれほど問題視すべきことではないのですけどね。今回も、敵機体を思いっきり要塞内にねじ込んで、要塞内側から爆発ですよ。「スターウォーズ エピソード1」や、「インディペンデンス・デイ」のラストの爆発なみの安易さですな。ま、デス種のアクションシーンの面白さって、戦略がどうとかではなくって、「プロレス」の面白さにかなり近いと思うんで。あんまムズかしいこと考えずに、力でグイグイ押しまくっていく演出は、この作品の場合には正解ではないかと思う。何話かを続けて観る分には単調さが目立つかもしれないが、1週間1回の25分の中で観る分には非常に楽しく観ることができる。

ラストに、解放された民衆のマンセーにウハウハ顔で飛び込んで行くシンと、機体に乗ったままで連合軍の処刑シーンを悲しそうな目で見やるアスランとの対比を持ってきたところも良かった。相変わらず調子こいたセリフを吐くシンの「子供」さと、内心で複雑なものを秘めながらも「よくやった」と言うに留めたアスランの「大人」さとの対比を持ってきたのも上手かった。

リアルロボットものとして考えれば物足りないところやツッコみたいところはいくらでも挙げられるだろうが、スーパーロボットもの〜リアルロボットものの中間に位置する作品として考えれば、今回も面白い回であった。あ、でも今思ったけれど、「デス種」って、作品に与える評価によって、その評価者がロボットものに対して何を求めているかが炙り出されてしまうようなところがあるよな。私は、それほど多くのことを求めてないので、今のままでとりあえずは全然オッケーです。アークエンジェルスが出てこなければ、たぶんずっとオッケーだと思う。