メルヘヴン 第5話〜第6話[anime]

oippu2005-05-15


もはや現役の少年ではないので、現在の少年マンガにそんな詳しい訳ではないのだけれど、「少年サンデー」系の「アクション冒険」ものって過小評価されているような気がする。

 ☆サンデー/ジャンプの代表的な「アクション冒険」もの

  「少年ジャンプ」………「HUNTER×HUNTER」「ONE PIECE」「NARUTO」「BLEACH」 
  「少年サンデー」………「金色のガッシュ」「犬夜叉」「MAR」

まぁ「NARUTO」や「BLEACH」はバトル要素も多分に入ってきているけれど、「アクション冒険もの」の範疇には一応含まれていると思う。

何つうか、上のリストを見る限りでは
  「ジャンプ」→ 子供だけでなく、いい年こいた大学生・おっさんも読んでる
  「サンデー」→ 子供しか読まない
という図式になってる気がするんだよな。

この図式によって、ついつい
「ジャンプ」→「冒険もの」のレベル高い
「サンデー」→「冒険もの」のレベル低い
思われてしまいがちなんだけど、でも果たしてそれって本当だろうか? 「MAR」の安西信行が描いた前作「烈火の炎」は、確かに「幽々白書」のパクリだとネットなどで叩かれまくっていたし、この「MAR」にしたって、「どこかから集めてきたネタをパッチワークで繋げただけの子供ダマし作品。ガキならダマされるけれど、知識を持ったいい大人は決この程度のニセモノに決して満足する訳がない」としたり顔で語ることは簡単にできる。それについて、私は特に否定する気もない。だけどそれを言うなら、「HUNTER×HUNTER」や「NARUTO」、「BLEACH」などのジャンプの人気作品にしたって、あちこちの過去の古典を手際よくまとめただけの「パッチワーク」だと言うことだって可能なのだ。

つまり、たとえば「NARUTO」が評論家(大人)ウケして、「MAR」がガキウケをするというのは、「片方がオリジナリティーに溢れ、片方がコピー作品だから」という意見は全く的はずれな気がする。たとえコピーだろうが、パッチワークだろうが、面白いものは面白いし、つまらないものはつまらないのだ。では、両作品の受け入れられ方の差異はどこから生ずるものなのか?

実はこの理由は簡単で、単に「ダークな部分を描いている/描いてない」というだけの差異ではないかと思うのだ。もう少し評論家的言葉を用いるならば、「NARUTO」や「BLEACH」が、青少年誌的課題/テーマを作品に取り入れているのに対し、「MAR」や「ガッシュ」はあくまで作品内容やテーマが「少年誌」という枠から外れることはないということなのだ。

と、いう仮定をアニメ作品「メルヘヴン」を観ながらぼんやりと考えた。「プリンセスを救い出す」というドラクエレベルのひねりのない王道ストーリーや、「出会い頭の初キッス」という嬉し恥ずかしなシチュエーションがあまりに初々しく、清々しく、やたらダークな「子供向けアニメ」に少し辟易していることもあって、なんだか妙に嬉しくなってしまった。確かに薄味っちゃあ薄味だし、CGの使い方もアレだし、何よりせっかくのバトルシーンに迫力が全くないのが致命的なんだけれど、それでもここまで見事に「100%子供向け」に徹していると、それだけで見続けていく価値があると思えてしまう。