マシュマロ通信 第25話「学校の怪談」

今回も、手の込んだ話であった。まぁ、手は込んでいたのだけれど、脚本の完成度的にはいつものキレ味はなかったなぁ。社交ダンスで休日にみんなが地下室に集まっていたというオチも、子供が実は幽霊であったというどんでん返しも、予定調和的であったし。

それよりも、新聞部におけるサンディーのカリスマっぷりにシビれてしまった。サンディーの鶴の一声で新聞の企画が決まったり(誰一人、サンディーの意見に乗り気でないにもかかわらずである)、サンディーが「走れ」と言えばみんな後ろをついていったり(みんな幽霊の存在にすっかり怖じ気づいてしまっているにもかかわらずである)、今回の話ではバリバリにリーダーシップを発揮していた。きっと、いつもこんな感じでサンディーはみんなを引っ張っているのだろう。

でも、実際の組織でもみんなを引っ張る役目のリーダーは「あまり深いこと考えず、とりあえず行動!」というサンディーのようなタイプであることが多いように思う。それでも、その組織が円滑に運営されているのは、ナッツのような優秀で冷静なブレーンがそばにいるからだと思う。この二人さえきちんとしていれば、後は好き勝手な事を言い合う烏合の衆であったとしても、上手いこと運営していけるのである。

ただの「友達同士」ではなく、一緒に共通の仕事をする「仲間」を描いているのが「マシュマロ通信」の面白いところだと思う。それも「世界を救う」といった大それた目的でなく、「試合に優勝する」といった熱血ノリでもなく、あくまで「日常的な仕事」をきちんとこなしているところを描いているのが良いのだ。貴重な存在であると思う。

ところで、脚本家の葉山陽一郎って、他にも「ちびまる子ちゃん」の脚本も書いたりしているのだけれど、治験を題材に描いた映画「サル」の監督と同一人物なのであろうか?