新選組! 第38回「ある隊士の切腹」

冴えない顔&これまでロクに出番のなかった河合耆三郎のために、まるまる1話を使って大盛り上がり大会。ありえねー。でも、河合耆三郎を演ずるのが大倉孝二ということであれば、それは有り得るのだ。大倉孝二って、演技どうこうではなく、存在がいいんだよね。ペーソスの塊。ただ、セリフを話しているだけで、その(冴えない)顔が画面に登場するだけで、何か泣けてくる。観ている者の気持ちの奥底を、キュウンとさせてくれるのだ。

切腹の場面で、「飛脚はまだですか」と藤堂平助に何度も問いかけるところが今回最大の泣き所。介錯を失敗し、無様な死に方をしてしまうのが二番目の泣き所。いやぁ、観ていて辛かった。

三谷幸喜関係の役者の中では、西村雅彦もペーソスが溢れる演技をするのだが、大倉孝二はひょっとするとそれ以上かも知れない。今後も、三谷幸喜作品でも、どんな作品でも、彼の姿を追っかけていきたいと思わせる役者である。今回は、大倉孝二、それに尽きる回であった。