けいおん! 最終回「軽音!」

TV放映時の最終回。(第1期としては番外編としてもう2話ある)

文化祭を間近に控えたタイミングで唯が風邪でダウンしてしまい、軽音メンバーは落ち着かない状態が続いている。ある日、唯が無理を押して部活に顔を出したが、すぐにそのまま寝込んでしまう。熱は高いままで、一向に下がっていない状態だったのだ。唯は、自分なしで本番をした方がいいと言って、梓にギターを頼んだ。しかし、梓は「みんなで演奏できないなら辞退した方がましだ」と言い、音楽室から出て行こうとする。それを澪が止め、少し考えてから、唯にこう告げた。
「唯、本番まで軽音部に来るな。本番までゆっくり休んで、風邪を完璧に治すこと。そして、みんなで本番を迎えること。それまで絶対に本番まで身体を休めておくように。いいな?」

ここまで来れば、もう最後までの展開は分かりきったようなものである。で、分かりきったとおりの筋運びで進みながらも(つまり、本番ギリギリで唯が登場するという流れになっても)ドラマが最高潮に盛り上がり、面白くなるのは、やはり演出の力のなせる業であろう。

最後の最後で、軽音部の演奏がたっぷり見れたのは、非常に良かった。(最終回までなるべく演奏シーンを取っておきたい、という当初からの狙いだろう)また、唯が自分の家にギターを取りに戻って、またギターを持って駆けていくところの作画も、筆が走っていて、見ていて実に気持ちが良かった。(第1話の冒頭の登校シーンが再び最終回で展開されるという構成も巧かった)また、学校まで駆けていくところと、学校に戻って演奏をする唯の表情が、唯には珍しくテンパった状態になっており、それが非常にキュートに描かれていて、萌えだった。作画監督京アニの作画の柱である池田和美。演出は石原立也山田尚子

一回、歌い終えた後、キーボード→ドラム→ベース→サイドギター→そしてリードギターという順で音を重ねていき、もう一回「ふわふわ時間」を歌うという流れも、燃える展開でグッドだった。ここまでユルユルなノリで進めてきながら、最終回になってバッチリとした演出でキメてくるのが実に小憎らしく素晴らしく、その小憎らしいところが、そのまま「放課後ティータイム」のバンドの佇まいと共通しているのも、ちょっと興味深いところだった。

あー、それと、唯の訳が分からない「たくあん」という寝言に「和尚?」って返してあげたり、唯のコスプレをして部活に行ったり、そこで唯以上にバッチリタイミングの合ったギターを弾いたり、姉思いで出来た妹ぶりの憂がたっぷり見られたのも、今話の大きな収穫だったな。(恥ずかしながら、私も軽音楽部の面々同様に、さわ子先生に指摘されるまで憂のコスプレに気付かなかったし)

けいおん! 6 (初回限定生産) [Blu-ray]

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